■宗派による戒名の違い

一般的な戒名について
梵字は、天台・真言は「ア字」、浄土宗は、「キリーク」
院号とは、お寺を建てるほど信仰心・寄進のあった方の意味です。
道号とは、悟りの境地やお人柄があらわれます。
戒名とは、仏弟子となった証です。どの宗派も2文字として共通しています
位号とは、年齢や性別・役職によります。男性(居士・信士)女性(大姉・信女)子供(童子・嬰児・水子)
浄土教・法華経・大日経

正確には、菩提寺のお寺様にお問い合わせください。

【天台宗の戒名】

<教義>釈迦の多くの経文の中で最高の経とされる「法華経」を中心におき「人は誰でも仏になれる種子があり、縁にふれて努力すれば成仏できる」と教えている。天台宗の教義は、総合仏教でありましたので、浄土宗の法然 臨済宗の栄西 曹洞宗の道元 浄土真宗の親鸞 日蓮宗の日蓮といった各宗祖も、この比叡山で学ばれ、その教えの専門的な事を説かれ、広められていきます。

<ご本尊>阿弥陀如来(釈迦如来、薬師如来をまつる事もある)

<本山>比叡山延暦寺

<宗祖>伝教大師(最澄)西暦806年

<諸派>天台寺門宗 天台真盛宗

<経典>法華経、般若心経、大日経、浄土三部経
梵字「阿」を用いる場合と、用いない場合がある。

<戒名形式>
□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号

天台宗の戒名のつけ方

天台宗では、二字法名の上に二字の道号を付けて四字名とするのが通例となっています。道号は表徳の号であって、仏教徒として修行・信仰により得たところの人格・功績等を表示する二字の名であります。
男性には、岳 女性には室を付ける場合も多くみられます。
道号と法名を組み合わせて四字の語義を考え、読んで意味が通じ、読みくだしが自然で、
無理のない発音で読めるように注意が必要です。

A・F・フェノロサ 玄智院明徹諦信居士
篤姫 天璋院殿従三位敬順貞静大姉

真言宗の戒名

<教義>真言とは仏の真の言葉、それを身・口・意、つまり心と体で体得しようと努めていけば即身成仏できると説く教え。

<ご本尊>大日如来<本山>高野山金剛峯寺

<宗祖>弘法大師(空海)西暦816年

<諸派>高野山(金剛峯寺)、智山派(智積院)、豊山派(長谷寺)

<経典>大日経、金剛頂経、理趣経、般若心経
<戒名形式>

□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号

真言宗の戒名には、「真」が使われる場合が多くみられます。
また、山川草木や日月星花など、あらゆる事物の名称をつかい、例えば山、岳、峯、国、天、雲、風、光、春、夏、秋、冬、松、竹、梅、蓮、堂、室など

島崎藤村 文樹院静屋藤村居士

 

曹洞宗の戒名

<教義>日常生活の中で、潜在する仏心に目覚め、明るい社会作りに努力し、また坐禅して安心立命の日をおくるとする。

<ご本尊>釈迦牟尼仏

<本山>永平寺・総持寺

<宗祖>道元禅師 西暦1227

<経典>般若心経・観音経・修証義・法華経
位牌の上には、「空」を入れることがありますが、これは戒名ではありません。

<戒名形式>
□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号

井伊直助 宗観院殿柳暁覚翁大居士
石原裕次郎 陽光院天真寛裕大居士
手塚治虫 伯藝院殿覚圓蟲聖大居士
貴ノ花利彰 双綱院貴関道満居士

 

臨済宗の戒名

 

<教義>日常の一挙一動が道の働きであり、「平常心これ道」と説く。道は理想を求めず日常の中にあるとする。

<ご本尊>釈迦牟無尼仏

<本山>建仁寺(それぞれの派により異なる本山を持つ)

<宗祖>栄西禅師 西暦1202

<諸派>(妙心寺・南禅寺・建仁寺・建長寺・円覚寺)

<経典>特定の経典はないが主に般若心経・大悲呪・坐禅和讃等
位牌の上に「空」を入れる場合がありますが、これは戒名ではありません。
<戒名形式>
□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号

有名人の戒名

山岡鉄舟 全生庵殿鉄舟高歩大居士
西郷隆盛 南洲寺殿威徳隆盛大居士
小津安二郎 曇華院達道常安居士
清水次郎長 碩量軒雄山義海居士

 

浄土宗の戒名

<教義>称名念仏を全ての修行に優先する。

<ご本尊>阿弥陀如来

立像だけでなく、座像の場合もございます。

<本山>知恩院

<宗祖>和順大姉(法然)西暦1175年

<経典>浄土三部経:無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経

位牌の上に キリーク(阿弥陀の梵字)を入れる場合もあります。

<戒名形式>
□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号

○○院 □誉 △△ 居士(大姉)
└─┘ └┘ └┘ └───┘
院号  誉号 法号  位号

浄土宗では生前 五重相伝や授戒会に参加して戒名が授与されている。
五重相伝とは、義の真髄を五段階に分けて解説伝授する宗門重大行事である。
その諸儀式の中に剃髪授戒が行われるのである。

善導大師が観無量寿経の(念仏を称える者は)人中の分陀利華である。との語を解釈して(人中の)好人、妙好人、上上人、希有人、最勝人である。と五種に嘉誉されたことに依るのである。
浄土宗第五祖、定慧上人が良誉と号されたのが最初であり、「誉」を使われることがある。

「譽」は高位な戒名とされ、一般ではなかなか授けてくれないのが現状と考えます。

有名人の戒名
初代 市川団十郎 門譽入寶學榮信士
2代目 法譽拍筵隋性信士
3代目 隋譽定縁學往信士
4代目 廓譽悟粒隨然法子
5代目 還譽浄本臺遊法子
6代目 皆譽自到本刹信士
7代目 徳譽恢郭子儀善法子
8代目 篤譽浄筵實忍信士
9代目からは、神号【諡号】となります。

杉田玄白 九幸院仁誉義真居士
中原中也 放光院賢空文心居士
斎藤茂吉 赤光院仁誉遊阿暁寂清居士
逸見政孝 誠實院温譽和顔政孝居士
伊能忠敬 有功院成裕種徳居士

 

日蓮宗の法号

<教義>久遠実成の釈迦牟尼仏にむかい「南無妙法蓮華経」の題目を唱える事で即身成仏し、理想の社会である仏国土が実現すると教える。

<ご本尊>曼荼羅(南無妙法蓮華経の7字)

<本山>身延山久遠寺

<宗祖>日蓮聖人 西暦1253

<経典>法華経

位牌の上には、「妙法」と入れる場合がありますが、戒名ではありません。

<戒名形式>
○○院 □□ △△ 日□ 居士(信士)

○○院  △△ 妙□ 大姉(信女)

└─┘  └┘ └┘ └───┘
院号   法号 妙号   位号

一般的に「日号」といわれ、日蓮さんの日を授かる場合があります。これも、全員ではありません。

いかりや長介 瑞雲院法道日長居士
井上 靖 峰雲院文華法徳日靖居士
緒形 拳 天照院普遍日拳居士
尾崎紅葉 彩文院紅葉日崇居士
ジャイアント馬場 顕峰院法正日剛大居士
夏目雅子 芳蓮院妙優日雅大姉
美空ひばり 慈唱院美空日和清大姉
力道山 大光院力道日源居士

 

浄土真宗の法名

<教義>弥陀の積善が廻向されて、それに乗って衆生が浄土に往生できるとする、絶対他力の教え。念仏をもっぱらにして阿弥陀如来の本願を信じる事をつとめとする。

<ご本尊>阿弥陀如来

南無阿弥陀仏と書いたお軸の場合もあります。

<本山>東本願寺

<宗祖>見真大師(親鸞1224)西暦1602年

<経典>浄土三部経:無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経
<法名形式>
○○院  釋 △△ 居士(信士)

○○院  釋尼 △△ 大姉(信女)
└─┘  └┘ └┘ └───┘
院号  釋号  名号  位号

<基本法名>
  釋  △△

  釋尼  △△

【浄土真宗本願寺派】

<教義>阿弥陀如来の本願を信じ、ひたすら念仏をとなえることによって弥陀の廻向をうけて浄土往生すると教える。純粋他力の教え。

<ご本尊>阿弥陀如来<本山>西本願寺<宗祖>見真大師(親鸞1224)西暦1594年

<経典>浄土三部経:無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経
原則、浄土真宗さんは、位牌を用いず、過去帳を準備されます。

しかし、最近は、位牌がないと寂しいといった方も多く、位牌をおつくりになる方もあるそうです。

浄土真宗では、戒名と言わず「法名」といいます。

院号は、原則本山から授かるものとされていますので、詳しくは各派の本山にお問い合わせください。

<法名形式> 
○○院 釋  △△ 居士(信士)

○○院 釋尼 △△ 大姉(信女)
  
└─┘ └┘ └┘ └───┘
 院号 釋号 名号  位号

<基本法名>
  釋  △△

  釋尼   △△

 (現在の本山の姿勢)
 
女性の方に「尼」を付けないようになっています。

釋号 名号

釈とは釈迦の略称で仏の種姓である。

よって仏門に入って出家したるもの、及び釈迦牟尼仏の教えに帰依してぶつでしとな事をあらわすもとのとして、法名の上に「しゃく」の字を冠するものです。

浄土真宗では、戒名とは言わず法名というのは、教えに戒律がないからである。

有名人の戒名

岡倉天心 釋天心
佐藤栄作 作願院釈和栄
古賀政男 大響院釈生楽
赤塚不二夫 不二院釋漫雄
新井白石 慈清院殿釈浄覚大居士
植木 等 宝楽院釋等照
岡田有希子 侑楽院釋尼佳朋
司馬遼太郎 遼望院釋浄定
筑紫哲也 無量院釋哲也
林屋三平 志道院釋誠泰
樋口一葉 智相院釋妙葉信女
松田優作 天心院釋優道
松本清張 清閑院釋文張
向田邦子 芳章院釋清邦大姉